- 2014年12月27日 19:08
- FUJIFILM X100T | Camera & Lens | Days | Design | Monologue | Photologue | Review
素通しのガラスを覗き、
ブライトフレームに構図を描き気持ちを込めてシャッターを切る。
この行為に喜びを感じ、写真を撮り続けている人はいったいどれだけいるんだろう...。
一眼レフのファインダーを覗き、被写界深度を確認しながらフレーミングし、シャッターを切る。
この撮影行為からすると、レンジファインダーで写真を撮るなんて言うのはなんともアバウト。
しかしX100はこのブライトフレームにこだわり、
さらにAFで確実に撮る行為をX100Tで完成させた。
shot with FUJIFILM X100T
shot with FUJIFILM X100T
私自身X100はひとつ前のX100Sから使っている。
XシリーズこだわりのEVFとOVFのハイブリッドファイダーではあるものの、
ピントの確実性からするとどうしてもEVFでの撮影になってしまう。
それが今回X100TはOVF上に小窓でEVFで表示することにより、
ピント面が見えるOVFファインダーとなった。
EVFがあるのなら端からEVFで撮ればいいだろうと思うのだが、
一眼レフやEVFファインダーと、ブライトフレームで撮る感覚ではライブ感が全く違う。
それは撮った写真にも感じる。
ストリートスナップにおいて、レンジファインダーで撮った写真は、その場の空気をも写し込んでくれる。
FUJIFILM X-Pro1で上海を撮り歩いた時、OVF、EVFを状況に応じて切り替えて撮った。
戻って写真を開いてみると、やはりEVFで撮ったものとOVFにブライトフレームで撮ったものは別物だった。
同時に持って歩いていたLEICA M9の写真もそう。
LEICA M9とX-Pro1のOVFでの写真には、EVFで撮ったカットにはないその場の臨場感を感じた。
それは他人が見れば、「そう?」かもしれないが本人がそう感じるのだから、それが全てである。
カメラというものはそういうものである。
よく写ればいいというものでは無い。
このカメラで撮りたいというその事が何倍も重要であると思う。
私自身、スナップショットはレンジファインダーで撮りたい。
普通によく写るカメラより無駄に高いかも知れない。
しかしそれを選ぶ。
繰り返すもカメラというものはそういうものなので仕方がない。
そういった気持ちをカタチにしてくれたのがX100Tである。
ブライトフレームで撮る行為にこだわり、
ブライトフレームでピントが見えるようにしてくれたカメラ。X100T。
やや大げさだがこれは革命的なカメラだと思う。
革新的なOVFが目をひくがそのほか色々リファインされている。
背面部分のスイッチやUIなど、使い勝手も向上している。
またデザインもレンズのピントリングやグリップ部分など、
カメラ好きのツボを押さえたリニューアルが各所に施されて
以前のクラシカルなX100のイメージよりスマートになって、かなり気に入っている。
個人的に焦点距離35mmが一番好きな画角である。
単焦点コンパクトではLEICA XやX-E、SONY RX1など魅力的なものも多いが、
これだけOVFファインダーにこだわりを持ったコンパクトは他にはない。
メインにサブに、常に連れて歩きたいカメラ。
X100Tである。
shot with FUJIFILM X100T