- 2018年12月26日 20:12
- LEICA M10 | Camera & Lens | Days | Monochrome | Monologue | Review
LEICA M10-P / LEICA Noctilux 50mm F1
LEICAを使う者なら誰もが手に入れたいと思うのがNocitiluxではないでしょうか。
私自身LEICAを初めて手にしたことから、使いたいレンズの一つではあるものの、
当然ながら、じゃ買って見ようかって気軽に手に入れられるものではありません。
それなりの気持ちと心意気がないと手を出せるものではないのがNoctiluxでしょう。
この秋、LEICA M10からM10-Pに移行しました。
個人的にはシャッターのフィーリングがしっくり来ないとか、いろいろはあったものの
LEICA M9から始まり歴代「P」を手に入れてきて、
それはひとえに、M型ライカに赤バッチは似合わないと思うからでです。
さらにフィルム時代のLEICAと同等の薄さになったM10ボディに、
エングレーブされたLeicaロゴの格好良さは、
M10で最終と思っていた自身にとって、
手に入れないわけに行かないという事になり思いきって移行しました。
当然ながら、M10がM10-Pになっても同じ画という事もあり、中々写欲も上がりません(汗)。
これは最後のLEICA導入記念に、憧れでもあったNociluxを手に入れようという事になったわけです。
さらっと言ってますが、これは大変な事ですよ。
石橋を叩いても「丈夫だね」と渡らずに帰るタイプの私が、
大物Nocitiluxを手に入れようと言うわけですから、それはもう大事です(笑)。
Noctilux 50mmは、初代非球面F1.2。球面F1。現行の非球面F0.95と大きく分けると三種類。
私が選んだのは球面のF1。
実際、球面F1を細かく分けると何世代もあり、E60の前期でバヨネット型のフードのものです。
どうして、数ある中この世代なのか等など、書き出すと年を越しそうなのでやめておきます。
さらに状態もどの程度のもを手に入れる、どこで手に入れるなど、
決して安くないレンズを思いきって買うわけですから、
想像を絶するくらい調べ上げるわけです。
正直これがレンズを手に入れるまでの一番楽しい時間でもあります。
そしてついに、自身の求めていたレンズを手に入れることが出来ました。
ざっと割愛しましたが、山あり谷ありで当レンズで二本目です。
一本目は非常に写りは良かったのでですが、僅かに満足行かないところがあり返品しました。
オールドレンズとまでは言わないものの、それなりの時代の中古レンズ購入は一筋縄ではいきません。
やはり、知らなかった事や謎も多く、いろいろ調べたり、聞いたりとで
大変学ぶことも多かったですね。
この熱意は、自分でも驚くくらい尋常じゃないものです(笑)。
LEICA M10-P / LEICA Noctilux 50mm F1
前置きはさておき、ようやく手に入れたNoctilux。
その写りはまさに唯一無二。
これまで感じた事のない気持ちにさせてくれるのでした。
力強いピント面と何か幻想を見ているかのようなボケ味。
なんとも表現の出来無い魅惑的な写りなのです。
これまで、いわゆる標準50mm、F1クラスの大口径レンズを何本も手に入れてきましたが、
それらはNoctiluxのような写りであったり、それをオマージュする描写ではあるものの、
Noctiluxではないのです。
当然、撮り比べてプリントなどしたときに違いを感じるか?と言われれば答えられ無いかも知れません。
しかし、レンズとは決して結果が全てでは無いものです。
素通しのガラスファインダーを覗き、ブライトフレームに思いを込めてシャッターを落とす。
それがNoctiluxを通して写し出された画には、ほかの何ものにもない画を感じるのです。
それがそのレンズを選ぶすべての理由だと思います。
LEICA M10-P / LEICA Noctilux 50mm F1
これまで知人や人からNoctiluxを借りてM9やM typ240で撮影したことはありますが、
正直、ピントが合っていたことがほとんどありませんでした。
Noctiluxは、ボディとレンズと両方合わせて調整しないと合わないような事を聞いたことがあります。
しかし今回手にした二本のNoctiluxは、距離計で気持ちいいくらいピントが合いました。
そこにはM10のファインダーの見えの良さがあります。
何度かオールドレンズのメンテナンスをお願いしたことのある中村さんの話では、
Noctiluxもそれなりに状態のいいものであれば、ピントが合わないということは無いとの事でした。
もちろん、フィルム時代の設計ですので、フィルム機基準のピントレベルではありますが、
私自身DGSMデジタルネガを用い、銀塩プリントを前提に写真を撮影しているのでなんの問題も感じません。
M10のファインダーによって、こんな気持ちよくNoctiluxを味わえるなんて大変嬉しいことです。
今のデジタル時代に置いて、フィルム時代とは違い、想像も出来ないくらいにレンズ性能は求められています。
5000万画素クラスに耐える解像力や、ボケの柔らかさ、美しさ・・・
高性能で良く写るレンズを突き詰めていけば、個性も出しにくいものでしょう。
逆に言えばよく写るレンズが欲しければ、最新のものを手に入れれば済むわけで、
それはライカレンズでなくてもいいかも知れません。
しかし、LEICAを使いレンジファインダーで撮る写真については、
そんなに良く写らなくとも個性があり、
写っていない部分を想像させるくらいがいいんじゃないかと思うようになってきました。
距離計で気持ちよくピントが合い、あとはそのレンズ味わいを感じられれば十分です。
そして、なんと言っても見た目も大事です。
よき時代のM型ライカのルックスを持つM10-Pには、
現行レンズより、その時代のLEICAレンズが似合いますね。
ん〜、エエヤツだ。
苦労して手に入れたものは一生ものです。
LEICA M10-P / LEICA Noctilux 50mm F1