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X-Pro3 year.

X-Pro3 XF35mm F1.4

X-Pro3 XF35mm F1.2

SAHARA, MOROCCO. 
shot with FUJIFILM X-Pro3 / XF35mm F1.4 R

X-Pro3

待ちに待ったX-Pro3がやって来た。

これほど発売日を楽しみにしていたカメラはここ数年無かったように思う。
もちろんプロモーションで携わっていた関係でX-Pro3のベータ機を長期間使用してきたわけだが、
正式にオーダーし届いたカメラはまさに「My X-Pro3」。
喜びもひとしお。

よく写るカメラ。便利なカメラ。使い勝手のいいカメラならいくらでもある。
各社競ってそういうカメラを創っているわけで、
逆にいうと、どれも高性能であるものの同じカメラになってきているのも事実。
もちろん、性能で凌ぎ合ってそれぞれ特長は持っているものの
例えば、質感、細かいディテール、カメラとしてのこだわりに重きを置いて創られているカメラは他にあるだろうか。

私がこのカメラに一番魅力を感じているのは、このチタニウムボディにデュラテクトブラックの質感だ。
こんなに作り手の温もりを感じるカメラは正直無いと思う。
このチタニウムは、型で整形されたものでは無く曲げ整形だという。
X-Pro2はどちらかというとシャープなディテールだったが、Pro3は曲線的だ。
デュラテクトカラーの仕上げは手作業の磨きも加わる。
職人気質な「ものづくり好き」としては、こういう心を感じるプロダクトはたまらない。
つくづく写真好きである前に道具好きなんだと思う(笑)

X-Pro3

X-Pro3

X-Pro3 7artisans 35mm F1.2

中でも気に入っているのが、右手のグリップ周り。
X-Pro2では切り込みが正面右側まで伸びていたが、左側で止めている。
同時に右手のファインダー周りはフラットで、非常にすっきりとした。
整形が難しい事も手伝ってか、細かいディテールは無くなりデザインがスマートになったと思う。
非常に好ましい。

X-Pro3 小窓

格納した背面に小さな窓があるが、私はフィルムシミュレーションを表示ではなくカメラ設定表示にしている。
それも情報は絞り少なめ。
シャッタースピードに撮影枚数、ISO。WB、バッテリー、フィルムシミュレーション。
ほとんどが直感的なダイヤルで情報が得られるX-Pro3だが、
この情報窓は結構気が効いている。しかもモノトーンでスマート。

X-Pro3

これだけ気に入っているカメラであるものの
今回ばかりは中々気軽に人に勧められない。
格納した液晶も多くの人にとっては不便でしかないかもしれない。
液晶が閉じていることで得られる写真に対する向き合い方は、
実際使い込まないと感じられない部分でもある。
シャッターを落とし、前へ前へ進む感覚はなんとも言えないものだ。
撮影後のプレビューが見られないのはフィルムと同じではあるが、デジタルだとまた違う感覚だ。
さらにこの質感や、細かいディテールは、ささらない人にとってはどうでもいいことだろう。
この魅力を感じる人だけが手にすればいいカメラだと思う。

と言いながらも、私以上に熱く感じている人は思いの外沢山いて、
背面液晶の無い事の魅力や、チタニウム素材だけで何時間も話せるような人がいる(笑)。
そういう人に出会った時には、本当に嬉しくなるものだ。

まさに唯一無二のこだわりを持ったカメラを富士フイルムは世に送り出したと思う。
個人的にあと望むのは、それに相応しいこだわりを持ったレンズだ。
お気に入りのレンズはXF35mm F1.4 R。
これ以外に強い個性を感じるレンズは意外と少ない。
驚くほどよく写るし、それぞれ特徴も持っているが、もっと強烈な癖のあるレンズを出して欲しいものだ。

X-Pro3 XF16mm F2.8

SAHARA, MOROCCO. 
shot with FUJIFILM X-Pro3 / XF16mm F2.8 R WR

2019年11月。
X-Pro3と三度目のモロッコを旅した。
砂が舞う砂漠地帯では防塵防滴は強い味方となった。
レンズはXF16mm F2.8 R WR。XF35mm F1.4 R。XF56mm F1.2 R。
この三本は私にとって今回ベストな組合せだった。
この他LEICA M10-Pも持って行ったがほとんど出番がなかった。
唯一持っていて良かったと思えたのはSuper-Angulon 21mmだった。
旅のカメラからLEICAを外せないのはやはりこういった個性を持つレンズがあるからだろう。

今年一年、前半は金沢でのイタリアモノクローム写真展。
後半はX-Pro3で「能登」と多くの発表の機会を頂きました。
来年はモロッコの写真をぜひ公開していきたいと思います。

2020年もよろしくお願いいたします。

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